「ザルツブルグでのモーツァルテウム音楽大学・夏期講習会」報告

2週間にわたって、ザルツブルグでのグラーフ氏の講習会で伴奏と通訳とを行ってきました。
今年はちょっと受講者が少なく8人でしたが、皆さんとても真面目で意欲的、レベルもなかなかのもので、充実した2週間でした。

このグラーフ氏との出会いがなければ、今の私は全くあり得ません。
フルートという楽器は、それこそただ美しい音で「歌う」だけではなく、ひとつひとつのフレーズに対する細やかなアーティキュレーションや音のコントロールが音楽に様々な表情を与えます。本当に不思議なほど、彼の音楽は「語り」ます。

今年で88歳のグラーフ氏ですが、その音楽はどんどん深く、しかも清冽で自然でシンプルになっていくように感じます。それは、もしかしたら…「禅」の精神にも通じるような。

もう一度、日本に来て欲しい。あの音を、多くの方に生で聴いていただきたい。今の私たちの切なる願いです。

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